痔の注射療法後の経過と注意点

■治療後の経過と起こりうる副作用など

以下の表は治療当日からの経過と起こりうる副作用の目安です。
通院期間は、処置した痔核の数や大きさなども含めて患者さんの状態により異なります。

■排便はいつから?
○ 排便は翌日から可能です
○ 痛みをこわがって我慢しないようにしましょう
○しばらくは薬剤を用いて便を柔らかくするなどの処置を行います。

 ■仕事復帰は?
○ 数日間はできるだけ安静にしましょう
○ 力仕事、冷え、長時間同じ姿勢は避けましょう

治療後の注意点

■望ましくない作用(副作用)が起きることがあります。

定期的に通院してください。
この治療法は、痛みが続く、血が出る、肛門が狭くなって排便がしづらくなる、熱が出る、などの好ましくない作用があらわれることがあります。そのため定期的に通院していただく必要があります。


 ■気になる症状が現れた場合、直ちに受診してください。

ふだんと違う気になる症状があらわれた場合には、直ちに受診してください。 副作用が隠れていることもありますので十分に検査・診察の上、症状に応じた適切な治療を行います。
副作用などに対する処置が必要になった場合には、状況に応じてお薬(炎症を抑えるための抗生物質や消炎鎮痛剤、あるいは便をやわらかくするための緩下剤)の投与、坐浴、手術を行うことがあります。

 
 ■他の医療機関で直腸肛門の診察を受けるときには、必ず本剤による治療を受けたことをお伝えください。
本剤は痔核を固めて治す方法です。治療後は注射した場所が硬くなっていることがあり、この症状を誤って悪い病気と診断される可能性があります。 他の医療機関で直腸肛門の診察を受けられる場合は、本剤を受けたことを必ず申告してください。

痔を再発させないために

注射療法による治療後も以前と同じような生活を続けていると、新しい痔ができてしまいます。 再び痔にならないためには、おしりに負担のかかる生活を改めることが何よりも大切です。

■規則正しい排便生活を身につけましょう

・便通を整えるために食物繊維や水分を摂る
・便意があったら我慢せずトイレに行く
・トイレに長居をしない。いきむのは3分以内で無理に出しきろうとしない
・下痢を防ぐためにアルコール類、香辛料などは控える
・腸の働きをよくするために適度な運動をする
・便秘の原因になる無理なダイエットはしない

■おしりを清潔にしましょう
・坐浴を行う
・温水洗浄式便座を使う
   →水圧は弱めに
   →温度に注意
   →刺激し過ぎない
・洗った後、おしりをよく乾かす
   →便座に乾燥機能がない場合はタオルなどで軽くおさえます
・お風呂に入って血行をよくする

■おしりへの負担を減らしましょう

・長時間、同じ姿勢をとり続けない
・過労やストレスを避ける
・体を冷やさない